高校の時、ふらり入ったのは『ライブスポット昭和』という福岡市天神にある老舗のライブ喫茶だった。
店の前でしばらく迷った後、すごく勇気を出して入ったんだ。 初めてと悟られないように知ったふりして座ったシート タバコの煙で柔らかくなってるダウンライト 無愛想な店員 スポットライトで浮かび上がったシンガー うわぁ〜 全てが期待に満ちあふれて、それはキラキラ新しい世界だった。 高校の部活を引退した後に買ったギターは、一万九千円の安もの。 2弦の19フレットの音が出なかったし、チョーキングすればペグも回った。 だけどそんなことは構いやしない。 本を片手にコードを覚え、レッスン40まであるのにレッスン5で本の言うことを聞かずに曲を作り始めた。 高校を卒業したある日、飲み会で中州に行った。 その帰り道、雑踏にまぎれて『レット イット ビー』が聞こえてきたんだ。 歌に誘われて川のほとりの暗闇のベンチ。 一人の男が、ただただ歌っていた。 僕は男からは見えないところで、その歌をこっそり聞いた。 いいな あれからどれだけの月日が流れただろう。 2/2(土)、西中洲TUPEROでライブを終えたありけんは、幸せでした。 みんな、聞いてくれてありがとう。 2/4(月)午後に時間を作れたありけんは、やっぱり海に向かっていた。 関東は大雪らしく、福岡もかなり寒かった。 海の中道へ向かう香椎線は3両編成。 そのうち僕の乗る車両の乗客は、僕一人だけ。 香椎線、大丈夫かな、、 海の中道駅で降り、海浜公園経由で海へ行こうとしたが運悪く休館日。 少しも残念だと思わず、すぐに線路脇のぼろ道を進み、線路を渡り、フェンスを越え、松林を歩き始めた。 松林は歩きやすく、地面は細かい落ち葉でふかふかしている。 いつ見ても、「うわぁ〜」ってなるよね。 だけど見えてからが意外と長いんだ。 丈の短い1年生草本の枯れ枝をバキバキと踏みながら進む。 ここはまるで荒野のよう。 ついたー! 誰もおらんよ。 なんてったって国定公園やけんね(なぜお前がいる!) しかし風が強い。 力つきたハリセンボンがたくさん打ち上がっている。】 可愛い顔しとうよね。 さわったら、やっぱり痛かった。 おつかれさま。 (後々調べてみたら、日本近海にたくさん生息しているらしい。 特に日本海側の冬場は、季節風により海水温の変化が激しくなり、弱ってしまってよく打ち上げられてしまうらしい。 うう〜、助けてやればよかった(><)) 浜辺にはたくさんの漂流物。 瓶やペットボトル、サンダルに、ヘルメット、噂の青いポリ缶、ブイや木片などなど。 だけど砂浜は、構わずに全部飲み込もうとしていた。 飲み込んでから数百年、数千年。 きれいになっていますように。 歩きすぎるとすぐ帰り道が分からなくなるので、目印の線を引き、棒を立てる。 砂浜ってどこまでも歩いてゆけるよね。 波打ち際、松の植林失敗の荒野、さらさらの砂の上、しっとり砂の上。 ふらふらサクサク好き勝手に。 どうせならダイヤとか、手紙入りのビンとか流れ着いてればいいのにね。 たくさんある小さな貝殻の中から、桜色を一つ見つけた。 いつの間にか満ちて、いつの間にか干いて、そんな海をさまよってここにきたっちゃろうね。 僕も似たようなもんだ。 偶然やね。 カモメが2羽、打ち上げられたハリセンボンに挑戦している。 トゲだらけできっとランチにならんよ。 心底冷えてきたのでそろそろ戻ろう。 振り返れば、、足跡。 海と波が線、空と雲が立体 見上げる僕は中心 行く先は、、やっぱり彼方 『ありけん南方ツアーに行く』 おわり
by ak_essay
| 2008-02-15 22:46
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