7月に入り曇天の日々。
暑くてご飯を食べる気がせず、盛岡冷麺を食べた。 盛岡冷麺、、 普通の冷麺と違い、酸味があって濃厚で、かつあっさりで、麺も歯応えがありすぎておいしいんだ。 岩手の大学を卒業して、盛岡で一番といわれる盛岡冷麺屋で、皿洗いのアルバイトをしてた頃を思い出したよ。 よく有名人がやってきて、みんなが「だれだれ?」とホールを覗き込んでる隙に、卵やカクテキやチャーシューをつまみ食いしてたなぁ。(T_T) ホールのウェイターをやりたくて面接に行ったのだが(憧れだった)、回されたのは厨房。 だけどやりはじめた皿洗いは嫌いじゃなかった。 目の前に山積みになった皿々をかたっぱしから洗っていくんだ。 「うおぉぉ〜」 サク、チャポ シャコ、チャポ サク、チャポ シャコ、チャポ きっとアマチュアの人には、動く手が目に見えない程のスピードだったろう。 たまに、 ガシャ〜ン… 割ったって気にしない! なんてったって、たくさんあるからね。 洗えば洗うほど山が小さくなる。 お皿は僕を裏切らないんだ。 だけど皿の山がなくなりかけた頃に、富士山級の山が2つ続けてやって来たりする。 くぅ〜 (>_<) まるで人生小劇場だ。 洗い場は2人体制で、バイト仲間はみんな個性的だった。 昼間は保母さんをやっていて、夜はヒミツの仕事(皿洗い)の山村さん。 2つ年上の彼女はいつも、キムタクはかっこいいと言っていた。 機嫌が悪い日は、皿をぽちゃんと投げ入れるので水がかかって困った。 まだ学生だった藤君。 僕にいろいろと優しく教えてくれたなぁ。 いつの間にか僕の後輩とつき合ってたけど…。 皿洗い歴十数年で職場で最年配、僕と気が合わなかった内田さん。 いつもパチンコの話をしていた。 負けた日は無口なので平和だった。 生演奏喫茶でのバイトが決まって、半年で辞めた皿洗いだったけど。。 よく、作り過ぎた料理をタッパでもってきてくれた山村さん。 キティちゃんのタッパは数々の引っ越しにも関わらず、まだ持ってます。 後輩と結婚して、2児の父となった藤君。 まさかここまでくるとは。 今は認めてます。 最後のバイトの日に財布から1000円札を出して「選別だよ」ともたせてくれた、仲が悪かったはずの内田さん。 あの時ちょっと目が熱くなったんです。 ずるずるずる… 食べる冷麺とともに、思い出せば懐かしくなってきたよ。 みんな元気にしてるかな。 七夕も終わり梅雨も終盤。 やがて北の国、盛岡にも暑い夏がやって来る。 チリンチリ〜ン 日陰の少ないお昼にのれんをくぐったら、注文するといいよ。 盛岡冷麺を。 つるつると懐かしい冷麺は、一足はやい夏の味でした。 【 おわり 】 この虫は、乗っかった草の一番先端からしか飛ばないみたい。 飛んでもすぐ落ちるし、見てておかしい(笑)。
by ak_essay
| 2007-07-09 20:55
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